「時間とはなんだろう」書評

時間とはなんだろう


いま何時?

時間というのはどの国でも老若男女を問わず知っている概念であり、それでいて本当に時間を理解している人は少ないのではないでしょうか。
それが私がこの本を手にとった理由であり、そこに答えがあると思って読み進めるわけです。

時間が止まる?

時間は動くもの。流れているもの。
それでは時間が止まったら?
よく映画やドラマであるような、自分以外のすべてのものが止まるわけではありません。
時間が止まれば、そもそも光も止まっています。つまり何も見えません。
情報を受け取る側も何も考えられません。

時間は原子のレベルに至るまでものの動きをとらえたものです。そこからもたらす変化を記録することで時間を認識することができます。
もし原子のレベルまで止まっていたら、そしてまた動きを再開したら、その期間は時間は流れていないのです。

時間と物理学

筆者は時間とは何かを導き出すために、ガリレオ、ニュートンから始まって、アインシュタイン、ボーア、そして最新の超ひも理論まで、近代物理学をもとに紐解いています。
解説は端的でわかりやすく。私が過去に勉強してきた内容の振り返りにもなりました。
しかし、私は時間と物理学を結びつけたことはありません。

一般的な人間の感覚では、蓄えられる情報量の一般的な増加を時間経過と判定しているように思えます。
ただし物理学の世界ではそうではありません。

特殊相対性理論によれば、空間方向の移動は時間経過と同じ意味を持っており、一般相対性理論によれば、重力は時間経過そのものです。
時間と空間をあわせた「時空」という考え方がある以上、時間は物理学と切っても切り離せません。

さらに量子力学も加わり、物質や力の及ぼす影響も出てきました。

時間・空間・物質・力が一体となった宇宙の姿を解き明かすことが、時間とは何かを知る手がかりとなるのです。

この本を読んで

人生哲学や仕事における自己啓発に役立つと思ってこの本を手に取りましたが、その内容にはいい意味で裏切られました。
この本は物理学の入門書であり、文系の人も含め全ての人にわかりやすく書かれています。
時間とは宇宙そのものです。
人生は死に向かって一直線の時間の経過です。死ぬと土に還るといいますがそれは生物学・地学の領域であり、この本を読み終わったあとでは、死ぬと宇宙に還るという感覚を持ちます。
むしろ時間というごく身近なテーマを通じて、宇宙の壮大さを感じることができ、そもそも人生の刹那を感じることにもなりました。



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