「人材育成ハンドブック」書評
人材育成ハンドブック この本の副題は「いま知っておくべき100のテーマ」です。 数が多いと思いつつも、読み進めていくと「知っておくべき」内容と、「実践すべき」テーマが、読者それぞれに意識付けされるものと思われました。 つまり100全部を実行する必要はなく、このなかで自分の環境に合ったものを採用してくださいという筆者の意図が感じられました。 以下は私の視点でピックアップした項目です。 行動変容の5ステップ いきなり人は変わりません。生活習慣の改善を目的にした行動変容ステージモデルは、5つのステージに分けられます。 前熟考期 熟考期 準備期 実行期 維持期 課題の認識もないままに行動だけ促しても成果は出ないでしょう。会社からの期待を伝え、ギャップを感じてもらう前熟考期から始める必要があります。 コンピテンシー 日本でも2000年頃から人材戦略にコンピテンシーの考え方が採用されています。 目に見える「スキル」「知識」だけでなく、目に見えない「自己概念」「特性」「動機」にも着目する考え方です。 多くの企業では以下の項目をコンピテンシーとして採用しています。 リーダーシップ コミュニケーション 人材育成 チームワーク 創造 影響 決断 誠実 顧客志向 しかし、これらを全てカバーしている会社や経営者、マネジャーはどのくらいいるでしょうか? 恐らく1つも達成していない人も多いと思われます。優れた経営者でもかろうじて半分程度でしょう。 理想と現実のギャップは、社員の満足度にも現れます。会社や経営者に理想であってほしいと思う願いが、返って現実では落胆を招き、転職を続けたり、会社に居続けて疲弊したりしています。 両者に課題ありです。会社や経営者もこれは無理とあきらめず、100%の理想を追い求めてほしいものです。会社員も理想ばかり望むのではなく、むしろ現実はこのコンピテンシーはほとんど達成していないことを認識し、一つでも経営者に追加してもらうには、「自分が」どう行動すればよいかを考えてもらいたいです。 熟達化 エキスパートへの道筋が熟達化です。4つの段階に分かれます。 手続き的熟達化 定型的熟達化 適応的熟達化 創造的熟達化 1番目は単に手続きだけ覚える期...